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ーiPhoneの水没復旧ガイドー

水没時のNG行動と正しい初動

慌てて電源を入れ直したり充電してしまうと、濡れた内部でショートが発生し致命的な故障につながります。まずは落ち着いて端末を拭き取り、可能なら電源を切り、ケースやアクセサリを外して通気性を確保しましょう。ここからはやってはいけないことと、今すぐ実行したい初動を整理します。

やってはいけないこと

・通電(電源ONや充電)を試す/長押しで再起動を繰り返す
・本体を振る、ドライヤーの温風を近距離で当てる
・米びつや直射日光での過度な乾燥を続ける
・SIMトレイを乱暴に抜き差しして内部を傷つける

今すぐやること

・電源を切る、可能ならセーフティにシャットダウン
・外装の水分を柔らかい布で拭き取り、ケースやフィルムを外す
・SIMトレイを開け、見える範囲の水分を無理なく除去
・濡れを強制的に広げないよう端末を静置し、早期に専門店へ相談

復旧の方法選び(正規/修理店/自己対処)

水没は「早さ」と「手順」が肝心で、正解は状況により変わります。データ優先か費用優先か、さらに水没の程度や保証状況によっても選択肢が変わるため、違いを理解したうえで最適なルートを選びましょう。

正規修理の特徴

水没は多くの場合で本体交換やユニット交換となり、費用は高めでも品質と整合性を確保しやすいのが利点です。保証条件やAppleCareの適用範囲を確認し、データは基本的に事前バックアップが前提である点も意識しましょう。

街の修理店の特徴

分解洗浄(基板洗浄)や部品交換でデータそのままの復旧を狙えることがあります。成功率は浸水量や経過時間で大きく変動するため、受付からの着手までの速さ、基板洗浄の実績、保証期間や再発時の対応を事前に確認するのが安心です。

自分で対処する場合の注意

工具と洗浄液、乾燥工程の知識が必要で、静電気や微細な腐食の見落としが致命傷になりがちです。防水シールの再施工やコネクタの扱いも難易度が高く、自己責任のリスクを踏まえた上で慎重に判断してください。

データを守るためのチェックポイント

水没後は「動いているうちにバックアップしたい」と考えがちですが、通電が腐食を進めることもあります。まずは安全性を優先し、復旧の見立てが立ってからデータ保全の手順に移ることが結果的に成功率を高めます。

復旧前の確認

・水に落ちた時刻と液体の種類(真水/海水/入浴剤)をメモ
・反応するボタン、反応しない範囲、発熱の有無を整理
・重要データの所在(iCloud有無、2要素認証の受け先)を確認
・濡れたアクセサリ(ケース・MagSafe・ケーブル)を別保管

復旧後の予防策

・定期的なiCloud/PCバックアップを徹底
・耐衝撃ケースと高品質フィルムで外装ダメージを軽減
・浴室やプールサイドでの使用を控え、結露が起きやすい環境を避ける
・端末の防水等級を過信せず、経年劣化を前提に扱う

よくある誤解と正しい知識

防水等級がある端末でも、経年や落下でパッキンが弱れば防水性能は低下します。また「米びつで復活」は一部の水分を吸うだけで、腐食や電解の進行は止まりません。ここでは質問の多いポイントをQ&Aで補足します。

防水等級があれば水没しても大丈夫?

等級は新品かつ規定条件下での目安で、温度差や圧力、経年により大きく変動します。風呂やサウナ、海水は想定外条件が多く、安心材料にはなっても免罪符にはなりません。

乾燥剤で一晩置けば十分?

表面の水分は引いても、基板下の水分やミネラルは残りやすく、通電時に腐食が再燃します。分解洗浄と乾燥、必要に応じた部品交換まで行うことで再発リスクを抑えられます。

海水や入浴剤はどう違う?

塩分や添加物は導電性と腐食性が高く、時間経過でダメージが急拡大します。真水よりも早期の分解洗浄が重要で、持ち込みまでの時間短縮が成功率を左右します。

2025.10.24